平林物産株式会社
掲載日:2022年3月30日
10年後、20年後の会社を創る人材の育成
一人ひとりが自分の目標やキャリア・プランを考え、組織の方向性と重なりあう部分を共有していくきっかけに

活用テーマ セルフ・キャリアドック
所在地 千葉県夷隅郡大多喜町森宮138
業種 農業用生産資材卸売・販売
園芸施設設計・加工・施工
設立 1963年
資本金 2,500万円
従業員 102名
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
柔軟で的確に対応し、自主的、自律的に業務を推進する人材
<経営理念>
関東の農業と農家を守る
<人材育成方針>
社員が助け合う風土を醸成する
<求める人材像>
地域の農業・生産者に役立つ、柔軟で、自主的、自律的に対応できる人材である。
経営陣が変わるこの機に明確な企業ビジョンを管理層と共有し、従業員の成長目標を支援したい
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
10年後、管理職が定年を迎えるにあたり、将来の会社を担う次期リーダー層の動機付けと成長を支援する体制づくり
<試行導入の経緯>
当社では、これまで人事部署を持たず、採用や研修については、役員が業務管理者機能として担ってきました。現事業を担う管理職も10年後には定年を迎え、経営も現社長に変わる時期に来ています。事業の拡張に伴い、新卒採用者も増えております。このような変化に対応していくため、人事の専門部署を設置し、人材育成やキャリア形成支援にも取り組んでいきたいと考えていました。その1つとして、新卒採用者を対象とした、キャリアコンサルティング面談の導入を検討していた折に、東京キャリア形成サポートセンターの普及推進員から、組織視点と従業員視点の両方の視点から捉えるセルフ・キャリアドックの取り組みを紹介されました。
<試行導入の目的>
新卒採用者だけでなく、管理者候補の育成の一環としても、企業も従業員も共に成長できる体制づくりのきっかけになればと実施を決めました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
・ジョブ・カード作成する事前ガイダンスセミナーを実施
・次期リーダー層を対象にキャリアコンサルティングを実施
<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
会社を支え、知識・技術を伝えてきた多くのベテラン社員が定年を迎えます。これまでは、経営層や上司が、社員に対し公私にわたり教育・指導をすることが人材育成のひとつになっていました。今後、将来の管理職候補者を育てていくにあたり、一人ひとりのキャリア自律を促す人材育成方法を見直していきたいと思い、キャリア形成サポートセンターに相談しました。今回は、次期リーダー層に対し試行導入を実施し、自身の棚卸しワークにより、強みと価値観等の自己理解を深め、キャリアコンサルタントと相談する機会を持ちました。地域の農業・生産者に役立つ会社へ、どう貢献できるか、自分と組織について考える一助になればと思いました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
すべてオンラインによる実施。社員が安心して受けられるよう事前説明や受ける環境を準備
<取り組む上で工夫したこと>
キャリアを考えるセミナーやキャリアコンサルティング面談を初めて受ける社員が大半でした。オンラインでの実施ということもあり、安心して受けられるようにするために、キャリア形成サポートセンターの導入コンサルタントと相談し、事前にジョブ・カードの活用ガイドやワークシートを本社と各営業所に配布し、事前説明を行うとともに、資料に目を通してもらいました。本社と各営業所を繋いだオンラインによる事前セミナーでは、ジョブ・カード活用ガイド用いた講師の解説の後、ワークでこれまでの仕事経験を振り返りました。各営業所での参加者の面談スケジュール、オンラインの通信環境、個室確保など実施環境を準備しながら進めました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
・これまでの自分を振り返る機会になった
・自社の組織風土に親和性が高いと感じた
<セルフ・キャリアドックの効果>
【参加者の声】「これまでを振り返ることで、自分を客観的に理解することができた」「部下との円滑なコミュニケーションの働きかけをすることの必要性を感じた」という声が多く聞かれました。また、「もう少し早く受けたかった」という声も多く、今後も継続して続けて欲しい声があり、社員にとって、有意義な機会になったようです。
【経営者の声】このような一人ひとりのキャリアを支援する取り組みは、人を大切にし、お互いが助け合う精神を育む当社企業風土に親和性が高いと感じました。今後、積極的に進めていきたいと思います。
今後取り組みたいことを教えてください
体系的・定期的な相談体制をつくり、従業員のキャリアビジョンやキャリア・プランの実現をサポートしていく
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
こうした取り組みを体系的・定期的に実施していくため、社内の国家資格キャリアコンサルタントによる1on1ミーティングを始めました。キャリアコンサルティング面談技法を取り入れ、主体性やキャリア自律を深める面談になるよう実施しています。まずは新入社員からキャリアに関する研修も併せて企画し、始めました。今後は、新入社員以外の社員に部署毎に展開し、全社的に広めていきたいと思います。今回の試行導入のキャリアコンサルティングにより、一人ひとりが自分の想いや意思を言語化することができ、上司に伝えるスキルも高められたように思います。自己理解を深め自分の意思を伝えたり、目標を実現できるよう、組織としても取り組んでいきたいです。